2章

  • 2013.01.04 09:32
  • Cat:SMW
店を出ると何やらプレイヤー達のチャット文字が夥しい程、画面がいっぱいになるぐらい流れてる。
「なんだ・? 暴動でも起きたのか?」
騒ぎの方へ走っていく青年風なアバターのプレイヤーに話しかける。
「ん? あぁ、馬鹿がGMにデュエル挑むらしい」
「そうなのか、少し面白そうだな」
「まぁ、すぐに監獄エリアに飛ばされそうだけどな」
監獄エリアというのはゲームには接続できるが一定の期間タウンや通常エリアに戻れなくなる。
しかもスキル、スペルが使用不可になり、唯一使えるスキルは武器のスキルやエクストラスキルのみとなるが
武器スキル、エクストラスキルなんて持ってる奴なんかほとんどいないので、ほぼスキル封じをされている。
一定の期間というのはGMが設定する。 半日で出れる人もいれば1週間しないと出られない人もいる。
脱出は一応できるが、監獄エリアの東西南北にある門の番人モンスターを倒さなければならない。
番人モンスターは常時スキル『通常攻撃無力化』を設定されてあるので倒すのは非常に難しい。
「俺も見に行こうかな、一緒にどう?」
青年プレイヤーは「いいよ」と軽く相槌。
暴動の場所に行くと流浪人みたいなプレイヤーが軍服らしき装備をしたGMに攻撃を繰り返している。
しかし、全ての攻撃やスキルを紙一重で避けている。
例え当たるとしてもほとんどダメージがない。
「畜生がぁ、、、」
「もう諦めろ。監獄エリアに飛ばされたいのか?」
「はっ、監獄エリアに飛ばすにはPKしないといけないんだろ?」
GMが腰に差してある両手剣を取り出し、構える。
「それならばPKすれば良い事」
「こっちだってそう何度も監獄エリアに飛ばされてたまるか」
両方の剣技の凄まじさに砂埃が渦をまく。
なんなんだあの流浪人型プレイヤー、GMと対等にやりあってるじゃないか。
だけどなんだかGMの動き、少し遅い感じがするのは気のせいか?
「さて、私も本気で行こうかな」
GMの剣を振る速度が跳ね上がる。尋常じゃないぐらいの速度に剣先がほとんど見えない。
その速度の剣を流浪人は到底敵うはずはなく、すぐにHPゲージが赤色まで削られる。
なんて速度だ、一瞬であそこまで削るとは。
「さて、監獄エリアに送ってやる。」
流浪人は頭を剣で刺され、PKされた。
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2章

  • 2012.12.28 21:00
  • Cat:SMW
キャラの視点を空に上げると少し日が暮れてきていた。
視点を下げて、辺りを見渡しているとメッセージが届く。
 誰だろ? 魏かな?
メッセージボックスを開くと予想通り魏からだ。

『すぐに中心街へ来てくれ。 渡したいものがある』

なんだ? 何か頼んでいたっけ。
俺は面倒臭いながらも中心街に向かった。


中心街に着くと、またメッセージが送られてきた。
開くと、中心街にある個人商店地区に来るようにということだ。
個人商店地区とはどのタウンにも一つある中心街の北にあるGM管理の地区だ。
そこでは自分の店を持つ事もでき、自分の店でバイトを雇うこともできるが
そんな事しているのは大手のギルドや商店チームぐらいしかない。
基本個人商店では店主が店番しているか、比較的安くすむ受付NPCをおいている。
しかし、個人商店地区は別名『犯罪地区』とも呼ばれ、
このゲームでは禁止されているリアルマネー取引、賭けデュエルなども頻繁に行われているため
GMが管理しているのだ。
まぁ個人商店地区は相変わらず人が多く、多くのプレイヤー同士の取引がされている。
「えっと、ここか魏の店は。 久しぶりだな」
ちょっと古風な長屋の雰囲気が漂う魏のイメージにぴったりな店だ。
中に入ると外見とは裏腹に現代の鉄筋コンクリートみたいな造りになってる。
中では魏が客相手に取引をしている。 客が武器を出していると言うことは
察するに『買取』って辺りだろうか。
「25000npでどうだ?」
「それじゃ買い取ってください。」
おいおい、あの武器結構強そうな武器だぞ。
そんな安くてもいいのか?
客が俺の横を通って出ると、魏が俺の方を見た。
「おお、涼じゃねーか。 遅いぞ」
「五月蝿いな。 で、渡したい物ってなんだ?」
「おう、ちょっと待ってくれ」
魏がイベントリを開いて何か探しているようだ。
「おお、これだこれだ」
魏が手に黒い片手剣を出現させた。
結構重量パラメーターが高く、ズッシリとくる感じがした、
「なんだ?その片手剣は?」
「これがさぁ、プレイヤー制限武器でさお前の名前宛に俺の所に届いてたんだよ」
「なんだ? そのプレイヤー制限武器って?」
「知らないのか、、? プレイヤー制限武器って言うのはな錬成手が作る事ができる武器でな。
錬成手が指定したプレイヤーにしか装備できないようになってるんだよ
その分何かとパラメーターが高いけどな」
「そうなのか、誰からなんだ?」
「えっとだな、ソウヤって名前だな」
「ソウヤ? 聞いたことないな。 魏は知っているか」
「いぁ似たような名前の超有名人なら知ってるが、カタカナじゃないしな」
「ふーん、まぁ俺にしか装備できないんだし、俺に渡せよ」
「だからここに呼んだんだ」
魏からアイテムが送られてくる。
名前は『ダークネスホープ』って読むのか。 
「さっそく装備してみるか、レベルも30だしな」
「結構扱い難しいと思うぞ、パラメーターみたが尋常じゃない重量だぞ」
「大丈夫大丈夫」
右手にダークネスホープを装備すると、あまりの重さで右手が下に下がってしまう。
「なんだこの重さ、、必須STR230?! これじゃまともに振れないぞ なんだよこれ」
このゲームでは必須ステータスに満たしてなくても装備はできる。例外としてLV制限は無理。
しかし、その方法で装備するとなると命中率、回避率などが低下する恐れがある。
「まぁ今の俺は装備でSTR210ちょいあるからなんとか持てるけど、
普通のデュアルウェポン系統じゃ振る事さえできないぞ」
「まぁ必須ステータスになるまではいつもの風月刀でも使っておけばいいさ。」
「それもそうだな」と言いながらダークネスホープを装備から外す。
「さて、ちょっとこれから個人商店巡りでもして良い品買おうかな」
「掘り出し物でたら俺の所に横流ししてくれよ」
「その時は3倍で売りつけてやるよ」と笑いながら店を出た。



二章

  • 2012.12.07 09:49
  • Cat:SMW
あれ?そういえば……。
「蓮はどうしたんだよ? あいつも一緒に居ただろう?」
「蓮君はもう家に帰ったよどうして?」
俺は冷静にリビングにあるコードレス電話機を手に取り、ピッピッと番号を打ち込む。
「ちょっとカスに用ができた」
俺はちゃんと非通知設定にし電話をかける
プルルル……。ガチャ。
「はいもしもし。どなたですか?」
「よぉ……お前なんで止めなかった?」
「!? さて何のことだろう?」
「知らないフリする気か……?」
「まぁ気にするなお膳立てもしたんだし感謝されるべきだと思うんだが」
「は? お膳立て? 何のこと言ってるんだ? 殺されたいのか?」
「気付かないのかまぁいいやそれじゃBye」
ツーツー。 あいつ切りやがったな。
後でたっぷりと言い訳でも聞かせてもらおう。

「そういえば、今日アップデートあったよな? もう終わったのか?」
「うん。 さっき終わったところかな」
夏美がテーブルの上に置いてあるPCに指さす。
PCのなかを覗き込んでみると、
なるほど、今回のアップデートで...オリジナルスキル? なんだ?
「なんだ?このオリジナルスキルっていうのは?」
「まぁ自分でスキルが作れて、誰かに譲るってこともできるけど、
確か1キャラ10個までだったはずだよ。」
「そうか、んじゃさっそく行ってくる。」
「私も上行く」
夏美はPCを両手で抱え、俺と夏美はリビングを後にして、二階の自室に戻る。

自室の中に入ると、PCがつけっぱなしの状態だった。
あれ? 消し忘れてたか。
PCの中を覗き込むと自動的にアップデートが済まされていた。
「手間が省けた。 すぐSMWに入る」
SMWを起動し、ログインすると前にログアウトした日本タウンのギルドタウンに居た。

二章

  • 2012.04.01 10:25
  • Cat:SMW
「何やってんだ? お前ら……」
「ん? 涼起きたか!」
魏が俺に抱きついてくる。って痛たたたた!
「痛いだろうが! 離れろ!」
「すまない……しかし生きて帰って来れるとはさすがだな」
「まぁな……」
「涼……おかえり」
俺に顔を向けないようにそっぽ向きながら言う。
なるほど……こいつは俺の顔も見たくないと思っているなこいつは
「なんだ? そんな顔をしてよぉ」
ニヤニヤしながら言うと、俺の顔面に拳が一つ飛んできた。
俺は漫画でもあるような飛び方をし、店の壁に背中から激突し、激痛が全身を走る
 グフッ……なんだよこいつ……
俺はバタっと倒れて意識が薄れていった。
薄れ行く意識の中でドタバタと店内の中を走る人影を見たのだがそれは誰なのかがぼやけて分からなかった。

気付いたころにはもう自分の部屋のベットに寝かされていた。
「あれ……また俺……気絶してたのかよ……」
部屋に掛けてある時計を見てみるともう3時か……。
周りを見渡してみると少し何か焼いている匂いがする。
これは……?
部屋を出て一階に降りていくと少し煙臭い。
換気扇つけろよ……
煙の発生場所は台所のようだ。 異様に煙の量も多いし間違いないだろう。
台所に行ってみると夏美がフライパンで何か焼いている。
 ほほぅ……また人の家の冷蔵庫から何か取り出して焼いてるな。
しかし、こいつ……人の家の冷蔵庫を勝手に漁るか?
この匂いからすると醤油で味付けしたものに違いない。
だけど、冷蔵庫の中にそんなものいれておいたっけ……?
「何やってんだ?お前……」
「何って……料理を作ってるんだけど?」
「そんなもん……みりゃ分かる。 勝手に人の冷蔵庫漁るなよ……」
「ごめんごめん。 丁度良く鶏肉もあったし味付けして焼いてるの」
「そうかってなんで二枚? お前一人で食うんじゃなかったのか?」
「……え?もう一枚は涼のだけど……」
「何ぃぃぃ!?」
こいつにこんな優しい女の子らしい所なんかあったのか!?
「まぁ有難くもらうけども……」
こいつの優しさを利用しよう。夕飯作るの面倒だったし。
「そういえば、なんでお前が俺の家に居るんだ?」
「涼を家まで送ってきたからだけどどうして?」
そうかそうか。 あれ!? 俺は何か見落としていないか!?
というかどうやって俺を家まで連れてきたんだ?
まさかだと思うが一人では絶対無理だよな!?
蓮にでも手伝ってもらったのか? それとも両親でも呼んだのか?
「聞くけどどうやって俺を家まで?」
「魏さんの車で連れてきてもらったの。で最後は私が頑張って2階のベットで寝かせたの」
「なるほどな」
そうか魏は確か24とか言ってたな。それは納得だ。
しかし、最後は気になるが突っ込まないで置こう
これは女の子の仕事とでも変えておいてあげよう。
口にだしたら殺されると思うから。
「で、魏はそのまま帰っていったのか? ついでに食べて帰ればよかったんだが」
「……え? なんで?」
「だって、夏美一人じゃ話も進まないし、怖いし男っぽいし……って関節技をしようとするな」
俺の後ろに瞬時に回っていただと?そんな馬鹿な。
「冗談です。 離してください」
「え?そうなの? てっきりしてくださいと言ってたんじゃないの?」
「ブワ……」
目から何かしょっぱいものが流れていくよ。これは心の汗というものか。


2章

  • 2012.03.21 10:25
  • Cat:SMW
そう考えているとドラゴンが俺に向かってドタドタと突進してくる。
こいつ……なんだ? 黒い模様とかがあるぞ? 
ドラゴンの皮膚には見たこともない黒い何かが浮かび上がっている。
文字みたいで何かと嫌な雰囲気だ。
俺は刀を前に構えてガード体勢を取る。
 ドラゴンの頭が俺の体に全体に当たり、凄まじい痛みが襲う。
「……っ!」
すぐに右方向へ体を傾けてドラゴンの突進を最小限の痛みとダメージで止める。
しかし……何なんだ? この痛みは……こうなったらこいつを倒して考えるか。
俺は刀を上に上げてスキル発動。
『初振・月』
白い光の斬撃がドラゴンの体を覆い、ダメージを与えていく。 しかし、この状態じゃまだ死なない。
俺は尽かさず刀でドラゴンの頭を突く。ものすごいリアルだ。血がボタボタと刀を伝って垂れていき、刀を手から離す。
距離をとり、俺の右手付近にイベントリを構築。
装備イベントリに切り替えて『空想の刀』のアイコンに触れる。すると刀は構築していき、
右手に装備し、左手で刺した刀と同じ場所に突く。
みるみるHPが減少していく。 俺は両方の刀を引き抜きスキル発動。
『両刀・白義理』
2枚の円盤が飛び、ドラゴンを真っ二つ。 ドラゴンはポリゴンと化して俺は刀をしまう。
顔などについた血を払い、ひと時の休憩に入ろうとすると目の前に画面が出現。
なんだ・・・? これは・・・?
「……聞……」
「何か音がするな……聞き覚えのある声だ。」
そう考えていると段々音の精度が上がっていき、ある人物の声と断定できた。
「涼! 聞こえる!?」
「…!夏美……なぜお前の声が…?」
「聞こえるのね! 早くログアウトしなさい! 死にたいの!?」
「はぁ・・・? ここやっぱりSMWの世界なのか?……」
「うん…… 一応ね。 だけどそこはバグエリアなの。 早くタウンに戻るか、ログアウトして 」
「あぁやってみる」
俺はそう言いながらログアウトと念じるが意味がなく、何もおきない。
何度やっても同じだ。
「あれ?ログアウトって念じてもできないぞ?」
「馬鹿! システムって念じてみて!」
 ムカッ…… 俺は馬鹿じゃない アホだ!
俺はそう罵倒されながらもシステムと念じてみる。
すると目の前にホログラムの表示がでてくる。
スライドしていくとログアウトと書かれたアイコンが目に付く。
それを震えながらも触れる。
すると一瞬で視界が真っ暗になり、立っているのか座っているのか感覚が無くなっている。
 どうなってんだ? 動けんぞ……?
いつの間にか暗い天井が目の前に広がっている。
「ここは……」
ムクっと起き上がると、薄暗い部屋、ショーケースの数々……
「ここ……魏の店の中かって……電脳世界から帰ってこれたのか……」
キョロキョロと周りを見渡すと夏美たちが楽しげに話している。
なんだろうこのイライラする感じは。
起き上がって頭に着いている黒いゴテゴテしたものを取り外して首を曲げてコキコキと音を鳴らす。

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